Smiley face

 家業のプラスチック部品メーカー(兵庫県丹波市)で働く土田翔大さん(30)は、サブカルチャー好きです。地元の活性化をめざす事業として、森にたたずむ神社などを丸ごとコスプレイヤーのためのフォトスタジオにしてしまいました。

カンサイのカイシャ ここがオモロイ!

写真・図版
自然の中で撮影を楽しむコスプレイヤー=兵庫県丹波篠山市、カケルタンバ提供

 こけむした参道を上り、石の鳥居をくぐると緑の森が広がる。石畳でアニメのキャラクターに扮した人がポーズをとる。シャッターチャンスを見逃さないようカメラマンがファインダーをのぞいた。

 神戸市から車で1時間余り。兵庫県丹波篠山市の森の中に鎮座する、とある神社周辺が土田さんの会社「カケルタンバ」のフォトスタジオだ。

 大阪で大学時代を過ごし、鳥取での社会人生活を経て、2021年に故郷の丹波市に戻ってきた。現在は、土田化学で経営企画室長を務める。シカやイノシシが畑に近づくとセンサーで農家に知らせる製品を開発中だ。

 家業に打ち込んでいたところ、会計士が同じという縁で、森林資源を活用する地元の一般財団法人の代表理事から「高齢化が進む地区に若者を呼び込みたい」との相談を受けた。

 Uターンして感じたのは「丹波の地域には素敵なモノやコトがたくさんあるのに外につたわっていない」ことだ。子どものころからアイドルやアニメ好きの土田さんは、地区の神社を訪れてひらめいた。「森と神社が一体となっている。コスプレイヤーの撮影舞台にできる」

 コスプレイベントは都会での屋内開催がほとんどという。屋外撮影は、土地の所有者への許可取りが難しい。しかし、地元に協力を相談すると、宮司や氏子は快諾してくれた。駐車場はもともとあり、更衣室はつくった。

旧校舎でも撮影会

 SNSを通じてコスプレイヤ…

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